アガベを育てていると「この株、もっと増やせたら…」と思う瞬間があります。特に希少な品種ほど、数を増やしたい気持ちは強くなるはずです。今回は人気の「チタノタ シーザー」を使い、初心者でも挑戦できる胴切りによる子株増殖方法を実体験をもとに解説します。作業のコツや管理方法も詳しく紹介するので、失敗したくない方はぜひ参考にしてください。
目次
胴切りとは?|アガベを増やせる理由
胴切りとは、アガベの株を上下に切断して「親株から子株を発生させるテクニック」です。下半分の株元から数週間〜数か月後に新しい芽(子株)が出てきます。
特にチタノタ系は胴切りとの相性が良く、うまくいけば1回の作業で10株以上増えることも。時間はかかりますが、確実に株数を増やせる方法です。
どんな株が胴切り向き?|3つの条件
すべてのアガベが胴切りできるわけではありません。以下の条件を満たすことで、成功率を高められます。
- 葉の枚数が15枚以上
- 根がしっかりしていて健康
- 葉にハリと色ツヤがある
特に葉数と根の状態は要チェック。弱った株を切ると、親株も枯れてしまうことがあります。

胴切りのやり方|4ステップで解説
ステップ1|カット位置を決める
切る位置は株の中央よりやや下が基本。下に5枚、上に10枚の葉が残るように調整します。

ステップ2|釣り糸で切断
のこぎりやナイフより安全でスムーズなのが釣り糸カットです。糸を一周巻きつけて、両手で引っ張るとキレイに切れます。
ステップ3|切り口の殺菌
切り口には殺菌剤や硫黄粉を塗布しましょう。これにより腐敗や雑菌の侵入を防げます。

ステップ4|乾かして管理
風通しの良い場所で数日乾燥させてから、親株を植え直します。水やりは控えめに、乾燥気味に保つのがコツです。

子株が出るまでの管理と注意点
子株が出てくるのは、切ってから早くて2週間、遅ければ3か月以上。その間はじっと我慢です。
水のやりすぎは根腐れの原因になります。日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。
他の品種でもできる?|応用事例を紹介
今回使用したのは「チタノタ シーザー」ですが、「No.1錦」などでも同様に成功しています。条件さえ整えば多くのチタノタ系で応用可能です。

まとめ|胴切りでアガベライフをもっと楽しく
胴切りは少し勇気のいる作業ですが、成功すれば株数を何倍にも増やせます。手順を守って正しく管理すれば、初心者でも実践可能です。ぜひチャレンジして、アガベ育成の幅を広げてみてください。
よくある質問|アガベ胴切りQ&A
Q. 胴切りした株はどれくらいで根が出ますか?
結論から言えば、2〜4週間で発根することが多いです。なぜなら、下部の茎は再び根を伸ばす力を持っているからです。私のシーザーの場合は約3週間後に白根が確認できました。置き場所や気温で時期がずれるので、焦らず管理しましょう。
Q. 胴切りはどの季節に行うのがベストですか?
春〜初夏が最適です。理由は成長期にあたるため、発根や子株の発生が早くなるからです。逆に秋〜冬は成長が止まりやすく、失敗率も上がるため避けた方が無難です。
Q. 胴切りに失敗した場合、元株は再生しますか?
基本的には再生しません。ただし、切り口の管理が良ければ稀に脇芽が出ることも。とはいえ成功率は低いため、胴切り前は十分に健康な株を選ぶのが大前提です。