冬になるとアガベ愛好家にとって最大の課題となるのが「越冬」です。特に、実生2年目の若い株を屋外に地植えした場合、どこまで耐寒性があるのか気になるところです。
今回は、初めて屋外で冬を迎えたアガベ5種類(パリートランカータ、パラサナ、ユタエンシス、モンタナ、フィリフェラ)の越冬経過をまとめました。植栽場所や気温状況、植物ごとの耐寒状況も写真付きで詳しく解説していきます。
目次
今回越冬を記録したアガベ5株とは?
今回対象とした株は、すべて2021年に播種した実生2年目のアガベです。
- アガベ・パリートランカータ
- アガベ・パラサナ
- アガベ・ユタエンシス
- アガベ・モンタナ
- アガベ・フィリフェラ
これらの株は、前の冬は室内管理でしたが、今回は実家の畑跡に地植えされた状態で初の冬を迎えました。

地植え環境の特徴と越冬への不安
植えられている場所は、以前は畑として使われていた土壌で保水性が高いのが特徴です。アガベにとっては、水はけの悪さが致命的な弱点になりかねません。
理想的には、水を切って内部の糖濃度を高めた状態で寒さに備えるのが基本。しかし、この場所では雨水が染み込みやすく、逆に水を吸ってしまう環境です。このような条件でも越冬は可能なのでしょうか?
12月下旬|最低気温は氷点下へ
12月後半、最低気温は氷点下の日が増えてきました。そんな中、各アガベの状態を確認していきます。
各株の状態を写真付きで解説
パリートランカータ

やや変色が見られ、特に葉の根元が黄緑色に。凍害の初期症状の可能性があるため今後の経過を注視します。
パラサナ

今のところ問題は見られません。葉のハリも良好で、寒さに対して一定の耐性を示しています。
ユタエンシス

こちらも大きな変化は見られず、順調に耐寒している様子です。
モンタナ

ややリスクが高い状態。黄変は今後の寒波で悪化する可能性があります。
フィリフェラ

非常に順調です。葉の展開も美しく、寒さの影響は今のところ皆無です。
過去事例との比較と今後の展望
先日紹介したセバスティアナやマグニフィカは、同じ場所で完全に凍害に遭いました。品種の耐寒性による差が顕著に出た結果です。
今後さらに寒さが厳しくなる中、引き続きこの5種の様子を観察・記録していきます。
まとめ|品種と環境で越冬結果が分かれる
今回の記録からわかったのは、「地植え環境×品種の耐寒性」によって明暗が分かれるということです。
保水性が高い場所でも、うまくいく株もある一方で、早くも変色している株もあるため、今後の冷え込みにはさらなる対策も視野に入れる必要があります。
よくある質問|アガベ越冬Q&A
アガベは何度まで耐えられますか?
多くのアガベは0℃前後まで耐えますが、品種により異なります。例えば、ユタエンシスやフィリフェラは-5℃程度まで耐寒性があります。逆にセバスティアナなどは氷点下で凍害を受けやすいため注意が必要です。
地植えでの越冬はおすすめですか?
基本的には鉢管理が安全ですが、耐寒性の高い品種なら地植えも可能です。ただし、水はけの良い土壌と屋根などで雨避けできる工夫が必要です。今回は保水性の高い土壌での実験記録です。
寒さ対策に何が有効ですか?
霜除けシート、雨よけの屋根、マルチングなどが有効です。また、水を控えることで凍結リスクを軽減できます。地植えの場合は事前の水抜きと遮水対策も重要です。